「殺したいほど人を憎む。人間にしか芽生えない感情。そう思わないか?」

「憎む?」

「こんなことをオマエに喋っても仕方ないけど。ペイジャックはオレの母上を殺したんだ」

「マジかよ」

「無抵抗な母上を、ヤツはメッタ刺しにした。俺と父上が駆けつけた時には、ベッドも床も血の海だった」

「まさか須原サンが」

「国家の方針が気に入らないのなら父上に直訴すればよい。それを、それをヤツは母上に矛先を向けたのだ」 

ミドリは橋の支柱を右手で殴りつけた。
支柱は鉄製のはずだが、ペコリとへこんだ。

「卑劣な男なんだよペイジャックは。血も涙もないんだアロン部隊は。母上が何をした?」

須原サンとミドリ。

須原サンは王族に罪なき国民を殺されたと言った。
ミドリは須原サンにお袋を殺されたと言った。

殺し合い。

復讐が復讐を呼び、終わりなき戦い。
次元の低い国家だと思う。