コスミックダスト-戦塵の宮殿

「須原っていうんだね。ペイジャック・バーンの日本名」

「・・・・・・・・」

「ペイジャックが地球へ逃げたということは分かっていた。だけど地球はとても広い。日本の、大阪の、ココに住んでるいらしいということが分かったのはつい最近なんだ」

「殺すつもりなのか?」

「そのつもりだ」

「なんで・・・・・・」

「殺す」

「なんでオレと会った?」

「ペイジャックの日記を調べていたら、オマエの名前が出てきた」

「日記?」

「ヤツがクーデターを起こす前まで付けていた日記だ。オレはまだ読んでいないけど、父上や軍の将校たちから教えてもらった」

それは嘘だ。
クーデターを起こしたのはオレがまだ須原サンと知り合う前だ。
オレと須原サンにはまだ接点がなかった。

「嘘じゃない。ペイジャックは地球へ来る前からオマエのことを知っていたんだ」

「バカ言うな。有り得ない」

「本当なんだ」

「オマエは平気なのか? 人を殺すこと」

「人間として、正直な感情だと思っている」

「正直な?」

やはりコイツは宇宙人なのだろう。
日本人は、人を殺すことを正直な感情とは言わない。
どんな理由があっても、人を殺せば犯罪だ。