コスミックダスト-戦塵の宮殿

アイツ、こんな日でも野宿してるのかな。

「猟、こんな雨の中、どこ行くん?」

祖母が心配そうに居間から出てきた。

「こんな日にバイクなんか乗らんといてや」

「乗るかドアホ」 

こんな大雨の中、自殺行為じゃねえか。


★:*・・☆※・・*★・☆


アテもなく歩いた。

橋の下でポツリと雨宿りしているミドリの姿があった。

「あ、猟・・・・・・・・・・」

先に気づいたのはミドリのほうだった。

「さっきはゴメンね。オマエにあんな言い方をするつもりはなかった。だけど父上のことを突然あんなふうに言われて、オレ、どうしていいかわかんなくなった」

ミドリが一方的に喋った。
横なぐりの雨でミドリはずぶ濡れであった。

「なんで地球に来た?」

感情を抑えて尋ねてみた。
住む場所もない。
金もない。
なのに楽しそうに学校生活を送っている。
送っているふりをしている

「狙いは何や?」

意地悪な質問だと承知していた。
須原サンを殺すためにやって来たことは間違いないだろう。
それを敢えてミドリの口から聞いてみたかった。