コスミックダスト-戦塵の宮殿

「オマエの星は寒いのか?」

「キルジャには四季というものがあるんだ。今は冬だ。そうだな、1日の平均気温はマイナス10度くらいだ」

「マイナス10度?」

「風情があって、実に素晴らしい星だった」

「・・・・・過去形?」

「いつからなんだろう。クーデターが日常茶飯事になってしまったのは」

「オマエの親父がそうさせてんのやろ?」

「何ッ!」

ミドリが別人のような形相を見せた。

「どういうことだ? どうしてそんなこと言う?」

「さあね」

「猟! 答えてくれ!」

「興奮すんなよ」

「なんでオマエがオレの父上のことを、そんなふうに」

オレは黙って立ち上がり、この場を去った。

余計なことを透視されたくなかったし、それになぜか、これ以上ミドリの声を聞きたくなかった。

オレは須原サンに憧れているが、情けないことに、ミドリにも友情のようなものを感じ始めていた。