10、天涯孤独


オレたちはリュイとリズミーの遺体を荼毘に付した。

火葬したあと日本の寺へ安置することも考えたが、書類のない遺骨を誰も預かってはくれない。
だから、本望ではないが、ココに墓を建てることにした。

「涙を全部使い果たしたみたいです」

サムトが言った。

「いつまでもメソメソすんじゃねえよ」

悲しいときだからこそ、オレは泣かない。

悲しいときだからこそ、悲しい顔はしたくない。

悲しんでいても、リュイやリズミーは喜ばないから。