オマエを憎むことは間違いだと、オレが1番分かっているつもりだった。

「猟。王族はもう滅び去ったほうが良いのかも知れない。オレはオマエに殺されるなら本望だと思った。すぐに父上もオレのところへ送り届けて欲しい。そう願うつもりでいた」

だけど、オレにオマエは殺せない。

人間は人間を殺さない。

それが正常な人間の考えだ。

オレにミドリは殺せない。

「ありがとう、猟。だったらオレが・・・」

ミドリはそれだけ言うと部屋を出て行った。

ミドリ?

オマエ・・・・・

オマエが国王を殺すつもりなのか?

それはやっぱり良くねえよ。
子供が親を殺すなんてあってはならない。

だったら、その役目、オレが引き受ける。
人殺しは本望ではないが、神様だってきっと許してくれる。

なぜなら。

あんな国王は人間とは言わないから。