分かっている。

ミドリは何も知らなかった。

だけどオレは怒りをどこへぶつけて良いのか分からない。

「王子を殺さないでください!」

サムトが叫んだ。

オレは銃を持った手でミドリの頬を殴った。
そしてその手をコンクリートの地面に真上から落とした。

「ミドリ・・・オレかて・・・オレかてオマエが好きやねん」

「猟・・・・・」

だから、オレにはオマエは殺せねえ。
分かっていた。

「殺せねんだよチキショウ!!!!!!!」

「猟・・・・・・・・・」

「猟サン・・・・・・・・」