リズミーは母の乾燥した長い髪を三つ編みに編み始めた。

「どんなお袋だった?」

リズミーに尋ねた。

「素敵な女性でした。優しくて、強くて。ワタシの前では決して泣き言を言わない。どんなに辛くても何事もない顔で乗り越えていくような。そんな女性でした」

リズミーは自分のしていた赤いリボンを母の髪に結わいた。

「でも母は、いつも悲しそうな目をしていました。ワタシは母にこうして甘えた記憶がありません。だから、もう二度と母とは離れません。母と一緒に、星になれたら幸せです。最期に母に会わせてくれた猟サンとサムトさんに感謝します。ありがとうございました」

「ドアホ。なんで最期やねんな? このまま殺されてたまるか」


---その通りですよ、猟。

「何?」

---死んではいけない。

「母さんか?」

部屋を見回した。

ほんのりと青白い光の中にオレの母が立っていた。