いや、違う。
これはリズミーの声だ。

「どうした、猟?」

「ミドリ。急いでキルジャへ戻ろう」

「え?」

「リズミーの身に何か起きている」

「本当か?」
 
誰がS艦を目撃しようが、写真週刊誌にフォーカスされようが、世間の目など構っていられない。
とにかく今すぐキルジャに戻らねば。
人が寝静まった甲子園球場など待っていられない。

リュイの遺体を連れて、オレたちは町の真ン中に迎えに着たS艦に飛び乗った。

「UFOだ!」

「宇宙人だ!」

そんな声があちこちから聞こえた。

どうかみんな、夢だと思ってくれ。