コスミックダスト-戦塵の宮殿

須原サンが死んだ、あの橋の下に差しかかった。
オレにとっても、ミドリにとっても、見たくない場所だ。

「ねえ、猟サン」

サムトが川原を指差した。

「兄は、もしかしたらココで亡くなったのですか?」

「なんで?」

「そんな気がしました」

「そうだけど。話してやったことあったっけ?」

現場に目を向けた。
死体はもちろん、血痕も、遺留品も、何も残っていないはずだ。

なのに。

花が手向けられていた。

「ど、どういうことや?」

オレは土手を駆け下りた。

「誰が?」

見たことのない花だった。