コスミックダスト-戦塵の宮殿

淀川の川べりを歩いていると、足が急に重くなった。

オレは須原サンのことを何も知らない。

須原サンの家族のことだって一度も聞いたことなかったし、須原サンがどこで生まれて、どこの学校出たとか、何も知らなかった。

なのにオレは須原サンの良き理解者のつもりでいた。

何も知らないくせに。

だからオレは須原サンを救うことができなかった。