コスミックダスト-戦塵の宮殿

だけど。

須原サンはどうだったのだろう。
須原サンぐらい優秀な男なら、未来を予知することなど容易だったのでは。
 
だから何だ?

いや。
須原サンに手を握られたぐらいでそんな簡単に特殊な能力が自分にテレポートするなんて有り得ない。
リズミーの心が読めたのだって、きっと偶然だろう。
仮にオレに透視能力があるのだとしたら、オレが生まれたときから潜在していたに違いない。
ただ使い方が分からなかっただけだ。

ミドリが不可解な顔をオレに向けた。

「な、何やねんな?」

「オマエ、そういう趣味あったの?」

「そういう?」

「ペイジャックと手を握り合ったって?」

「アホか」

「恋愛は人それぞれだからいいけどさ」

「ドアホ! 変な勘違いすな」

「とやかく言わないよ、グフフフフ」

「うるせえよ」

人が真剣に考えているというのに、
この無神経野郎・・・・・・・・・・