ミドリはドクターにサムトを診せた。
先日の傷だってまだ完全に癒えていない。
「また王子に助けてもらっちゃった」
サムトが笑顔で言った。
ミドリの心を傷つけまいと、サムトなりに考えたのだろう。
ミドリは黙ってサムトの顔をみつめた。
「当たり前のことをしたまでだ」
と答えるのはおかしい。
こんなことが当たり前になってはいけない。
「だけどボク・・・・・・・・・」
サムトの顔が一瞬のうちに暗澹と化した。
「無理やり猟サンについてきて、役に立つどころか、足手まといにしかなっていない。ボクがいなかったらもっと順調にことが運んでいたのかも知れないのに」
「バカ言えサムト。オマエのそのバカ面がオレたちは好きやねん」
「褒めてるんですかソレ?」
「励ましてんねん。お互いが、お互いを。みんな同じだけの悲しみを背負って、みんな同じだけ足の引っ張り合いをして、みんで助け合うねん。それが生身の人間や」
おお。なんという文学的な台詞。
自画自賛。
「兄は、とても素晴らしい人と巡り会ったのですね」
巡り会う。
この表現もどこか間違っているような気がするが。
先日の傷だってまだ完全に癒えていない。
「また王子に助けてもらっちゃった」
サムトが笑顔で言った。
ミドリの心を傷つけまいと、サムトなりに考えたのだろう。
ミドリは黙ってサムトの顔をみつめた。
「当たり前のことをしたまでだ」
と答えるのはおかしい。
こんなことが当たり前になってはいけない。
「だけどボク・・・・・・・・・」
サムトの顔が一瞬のうちに暗澹と化した。
「無理やり猟サンについてきて、役に立つどころか、足手まといにしかなっていない。ボクがいなかったらもっと順調にことが運んでいたのかも知れないのに」
「バカ言えサムト。オマエのそのバカ面がオレたちは好きやねん」
「褒めてるんですかソレ?」
「励ましてんねん。お互いが、お互いを。みんな同じだけの悲しみを背負って、みんな同じだけ足の引っ張り合いをして、みんで助け合うねん。それが生身の人間や」
おお。なんという文学的な台詞。
自画自賛。
「兄は、とても素晴らしい人と巡り会ったのですね」
巡り会う。
この表現もどこか間違っているような気がするが。


