「知っている人間がいては困るのだがな」

背後から聞き覚えのある声がした。シェラ大佐だ。

「そのまま歩け」

「偉そうに命令するな」

「歩け」

大佐はライフルの銃身を起こした。

「ほーぉ、殺すのか? いいのか? リュイの居所と、鍵の在り処が永久に分からなくなるでえ?」

形勢逆転。
オレはそんな顔で大佐を見た。

大佐は表情を変えず、サムトに銃口を向けた。

「誰もオマエを殺すなどとは言っておらん」

「バ! バッカヤロウ! 坊主に手を出すな!」

「だったら歩け」

仕方なくオレたちは大佐に従い、長い回廊を進んだ。