8、衝撃の事実


王妃の三回忌セレモニーが中庭で開かれ、オレとサムトは中庭を見渡せる回廊からそれを眺めていた。
王妃の三回忌ということは、アロン部隊の三回忌でもあり、リズミーの母が消えて2年、須原サンが地球へ降り立って2年、でもある。

10万人近い国王軍に加え、政財界の大物やマスコミが大勢詰め掛けているらしい。

「たかが三回忌に何ちゅう騒ぎやねん」

オレはアリの巣と化した中庭を見下ろしながら首を傾げた。

「列席者はお金持ちばかりですから。王族に気に入られたいんですよ、みんな」

三回忌の法要が終わったら、ミドリは国王に真相を問い質すと言っていた。
殺された被害者の家族も悲しいけれど、家族に犯罪者が出ることも悲しい。
ミドリは一度に両方の気持ちを味わってしまった。

オレはそんな論説を頭の中で唱えながら、日に日に文学者になっていく自分に驚く。