コスミックダスト-戦塵の宮殿

「ミドリは知っているのか?」

「私に王族の血など流れていません!」

リズミーは職場放棄して出て行った。


★:*※・・☆※・・*※★

「今の話はまことか?」

リズミーと擦れ違いにミドリが入って来た。
今の話を聞いていたようだ。

「リズミーの父親が父上だと申すのか?」

「知らなかったのか? 親父の浮気、いや、大佐や軍の幹部たち、みんなメイドに手出してんじゃねえのか?」

「リズミーがオレの妹だと申すのか!」

リズミーだけでなく、きっと、何十人もの妹や弟がいるんじゃねえのか? 
と言ってやろうと思ったが、これ以上ミドリを傷付けるのも気の毒だ。
と言っても、ミドリは既にオレの頭の中を読んでいることだろう。

「オレの知っている父上は、そんなお人ではなかったのに。だったら本当に母上を殺したのは」

直接手は出していないにせよ、国王の指示で誰かが王妃を殺した。
まさか痴情のもつれ、ということはないだろうが、国王が王妃を殺す必要があった。

何のために?

リュイとマジで恋に堕ちた? 
そやからそんな低俗な理由で国王が自分の女房を手にかけるわけないやろ。
ほななんでやねん? 
嫉妬に狂ったリュイが王妃を殺したのか?

「猟。ひとりで漫才をしないでくれ。オレはどんなことでも受け入れる。一緒に解明して行きたい。事実が知りたい」