勇気を出して目を開けた。
 
ぼんやりと、女の姿が見えた。
 
うわッ。

見なかったことにしよう。

そう思って目を閉じようとしたが、好奇心とは厄介なもので、女の幽霊なんか絶対に見たくないのに、目はどんどん幽霊に引きつけられて行く。

「猟」

はあ? 

幽霊に名前を呼ばれた?

いや。

見ず知らずの宇宙人がオレのことを知っていたのだから、幽霊だってオレの名前ぐらい知っていても不思議ではない。

「猟」 

それにしても優しい声だ。
それに、なんだかとても懐かしい気がする。

「大きくなったのね」

はあ? 
幽霊に嫌味を言われた? 
オレはチビだ。
自覚はある。