君だけのもの。





どうしたらいいのか
分からなくて頭はパニックで

加奈に支えられながら
VIP室へ向かった。



緊張で、
足が震える。




しゅんは、
この扉の向こうにいる。




「ごめんねりお。

無理矢理連れて来ちゃったけど
見たくないなら見なくてもいい。


別に気まずいままでも
付き合ってたいって
思うなら加奈はいいと思う。


この扉開けるか開けないかは、
りお次第だよ。」



「…ううん。
はっきりさせるよ…

逃げてばっかりはもう辞める」



「そっか。分かった。

でもどんなことがあっても
自分をしっかり持つんだよ」



ゆっくり頷く。


ほんとはやだよ。
逃げたいよ。
見たくない。

そんな勇気ない。
怖い。



深呼吸して
扉を引いた。