「あ、今日同窓会あるんで先にあがりますねっ!」 「え、ちょ、音葉?まだこの仕事残って…」 「ってことで、おつかれさまでしたー!!」 「こらぁー!!」 背中の方から先輩の声がするけど…今日だけはすいません。 今日、12年振りにやっとみんなに会えるんです。 音葉はオフィスの自動ドアが開くと同時に外へと飛び出し、タクシーをつかまえて、電気が煌々と光る夜の都会を走って行った。