13月32日と25時の昼夜


「タルさんとはどんな人なのですか」

「3日前に越してきた男でな、立派な大蛇を飼っているらしい、15の若者だ」

「15の若さで村長に?」

「以前の村長が、タルさんの大蛇に魅せられたらしく、大蛇探しの旅に出てしまったようなんだ。それでタルさんに、村長の証である“蛇の牙”の首飾りを譲ったんだとか」

「へぇ……3日で村長だなんて、にわかには信じられないのですが」

「まあ、あんたたちも会いに行けば分かるよ。温和で優しい人柄のタルさんなら村長にピッタリだと」


 そう言われて3人の内の1人が、その日の晩に挨拶に訪れた。タルは笑顔で迎え入れた。


「こんばんは。ようこそいらっしゃいました」

「あなたがタルさんですか。みなさんから聞いたとおりのお人だ。ところで、大蛇というのは……」

「ええ、それが、もうお見せ出来ないのです。多くの人を魅了できたのは嬉しいことですが、そのおかげで村長は出て行ってしまいましたから……だからもう、逃がしてしまったのです」

「そうですか、それは残念です。一度、見てみたかったのですが」