「あーっ!!瑠衣ずるいっ!!なるちゃん上にのせんなよな」
魁くんがドアの前で瑠衣くんを指差して怒鳴る。
「ちっ…うるさいのが来た…」
舌打ちって…。
「てゆーか、魁邪魔だよ」
零くんのいつもの優しい声。
「零もなんか言えよ!」
「何も言えないでしょ、瑠衣が鳴海ちゃん守ってくれてるんだから」
守って…?
「零、よけいなこと言うな」
瑠衣くんが…私のことを…?
あれ?
何今の…。
頭の中に何かがよぎったような…。
気のせい?
って、忘れてたみんな見てるのにこれはないよ!
「瑠衣くん…おろして…恥ずかしいよ…」
「おろしたらオレに頂戴♪」
「誰がおろすかよ」
な…ななななんでー!?
「なんでなの?」
「なんでって、思い出しかけてんだろ?」
「へ?」
思い出しかけて…。
「瑠衣くん、ちょっといいかな?」
「悪いけど、無理」
「どうして?」
「彼女がすぐヤキモチ妬くから」
彼女!?私彼女じゃないんですけど!!
ザワザワと教室中がざわめく。
『やっぱり鈴宮の彼女なんだよ…』
男の子がそんなことを言い出す。
彼女じゃないです!って叫びたいけどできない…。
しかもそう言われた女の子は逃げちゃうし…。