今となってはしょうがないんだよね。
「鳴海、こっち来い」
瑠衣くんにそう呼ばれて私は真ん中にいる3人のもとへ向かう。
「は…はい!」
いつも思う、こう呼ばれるのは初めてなのに、なぜか懐かしく感じるのは何でだろうって…。
そして気づいたこと。
瑠衣くんはイライラがたまると…。
「なる、さっさと来い!!」
そう、なると呼ぶ。
「だ…だって人が多くて…」
私人の間通るの苦手…。
しかも背が小さいから埋もれるし…。
とくに瑠衣くんたちのほうまで行く道がたくさんいるし…。
「たくっ、お前いっつもトロいんだよ」
瑠衣くんはこっちに来て私を軽々と持ち上げる。
「ご…ごめんなさ…」
「ごめんじゃねーだろ」
「ありがとう…」
瑠衣くんはごめんなさいって言われるよりありがとうって言われるほうが好きみたいだ…。
そのまま持ち上げられたまま、私は瑠衣くんの膝に乗る。
背中に瑠衣くんの温もりが…。
あれ?そういえば…。
「あの…零くんと魁くんは?」
「あいつらならまだだよ、いつも遅いんだよ」
瑠衣くんは真面目なのかな?
「真面目じゃねぇよ、運転手が早く着きすぎるんだ」
「やっぱり分かるんですね…」。
「分からないほうがおかしい」
そうですか…。