私はどこまで走ったのか、いつの間にか屋上に来ていた。


屋上…か…。


どうせなら保健室なら良かったのに…。


「鳴海ちゃん?」


この声って…零くん…。


私は振り返った。


「零くん…」


「探したんだ…」


零くんは私の隣に来る。


今は零くんに会いたくなかったな…。


「鳴海ちゃん、まだ好きって意味が分からないでしょ?」


「うん…」


「ここに手を置いて目を瞑ってごらん」


零くんは胸に手を置く。


私は言われた通りに、胸に手を置いて目を閉じた。


私の好きな人…。


「どう?誰かの顔が浮かばなかった?」


私…どうして…。