イタル~another day~

「だいたい県立なんて野球部無いようなもんだろう?」

俺が行くのは隣の隣の街にある県立高校だ。

県下一の進学率を誇る代わりに、
運動部はあってなきがごときものだ。
進の言うように。

「あー、今年で廃部だってよ」

「あ?」
進がボールを受け取り損ねて、ポロっと落とした。

「何だって?」


「いいから座れよ」

マウンドまで後退した俺は進を座らせた。