イタル~another day~

「ダメだ。あのコみたいに自然な呼び方出来ないよ」

あのコって知沙だよな。

当たり前だ。

"年季"が違う。

栗崎さんはパッと表情を変えた。

「奈良くん」

彼女は、もうイタルとは言わなかった。

「駅まで送ってくれる?」

「わかった」

自転車を押して、

駅まで栗崎さんを送って行った。


俺は

栗崎さんを栗崎さんと呼び、

栗崎さんは

俺を奈良くんと呼び

二人の距離がそれ以上縮まることはなかった・・・