イタル~another day~

この暑いのに着ていたウィンドブレーカーを脱ぎ、
ヌマザワ・・・沼沢兄がベンチから出て来て素振りを始める。

マウンド上に残っていた沼沢先輩が
「すまんな」
と謝った。

「先輩のせいじゃないですよ」

どういうつもりで出て来たのか知らないが、

強豪校の強打者

と対決できることに少なからずワクワクしていた。


自分がどこまで通用するのか。


「我ながら言いづらいが、俺とは比較にならないセンスの持ち主だ。うちの兄貴は」

「はい」

「だが、今のおまえも並のピッチャーではない。一流の勝負を見せてくれ」

「わかりました」

沼沢兄がバッターボックスへ入り、
先輩はサードの守備位置へ戻っていった。