イタル~another day~

同好会の練習に参加するようになって、
硬球にも慣れた頃のことだった。

初めてジュンを座らせ、
本気で投球練習をしたのだが、

本気で投げたボールをジュンはキャッチ出来なかった。

「こんな速いボール、見たことない」
と言う。

とは言え、
弱小校にいたジュンにそれほどの試合経験があるわけじゃない。

沼沢先輩にバッターボックスに立って見てもらった。

「今まで見た中で1番速いし、次元が違う。たぶん・・・」

沼沢先輩は言葉を区切った。

「・・・150Km/h以上、出てると思う」

このストレートは、なかなかお目にかかれるものじゃない

ってことか。

打つのも難しいだろうが、捕るのも難しい。

投げ込みは投げる練習であり、捕る練習にもなった。

そしてジュンがエラーなく捕れるようになった頃には、
速いだけでなくコントロールできるようになっていた。

ストレートを生かすために、器用な上柳先輩から変化球のコーチも受けて球種を増やそうとしたが、こちらは間に合ったとは言えなかった。

だから、その頃から決めていた。

初球はストレート。

ど真ん中へ。


セイショーの度肝を抜いてやる!