イタル~another day~

中からキャッという声がしてすぐに、知沙が出口から出て来た。

「セイショーとあまり変わらないわね」
と呆れた顔をしている。

俺が一人でいるのを見て、
「あれ?さっきの彼女は?」
と訊く。

「どっか行っちゃった」
と答えると
「そう。残念ね」
とあまり残念ではなさそうな顔で言う。

「ダメ押ししたかったのに」

またあれなのか?

隣に座ってただけなのに?


「知沙、わざとイタルって名前使っただろ?」

「ダメだった?」
悪いと思ってない顔だ。

知沙は昔から、
俺に好意を寄せてくれる女のコに
俺と仲の良いことを見せつけようとするくせがあった。

幼なじみにはかなわないと、
みんなひいていった。

別に知沙とつきあっていたわけでもないのに。