イタル~another day~

「まだ言ってるんだ?そんなの仕方ないじゃんねえ」
知沙が言う。

半年ほど前、
進路の話になった時から進は文句を言っていた。

「なんでバラバラなんだよ」って。
いつものように"ん"で声を裏返しながら。

なんでなのかわからないのは進だけだ。

進の家は、

このあたり一帯の地主だったから
高校進学にはお金がかかる
ってことにピンとこないんだろう。

俺だって早くから親に言われてなかったら、
そんなこと知りもしなかったし考えもしなかった。