イタル~another day~

携帯電話で総太さんに電話する。

すぐに出た。

「総太さん、イタルです。あの、」

用件を話す前に、

「今どこにいる?」

と訊かれる。

「"あっち"の山です」

「わかった。すぐ行く」

と言って電話は切れた。

無意識に家に近い方の山を"あっち"と呼んでいた。

いつの間にかいつも練習している山の方が"こっち"になっていた。