イタル~another day~

「至(イタル)、早く来いよ」

上半身で振り返りながら、
小走りでグランドへ駆けていく進(ススム)が叫んだ。

呼ばれた俺

奈良至

は、

これが最後になる周りの景色を

記憶にとどめるように

じっくり眺めながら

ゆっくり歩いていた。