「神崎さん。ちょっと…分かんないとこあるんだけど」
「蒼空でいいよ」
私がそう言うと、金髪の女子は顔を上げた。
「あ、そう。んじゃあたしも、魅歩でいいから」
へぇ――――…。
「……魅歩っていうんだ」
そう小さく呟くと、全員がバッとこっちを向いた。
「え?蒼空チャン知らんかったんか?」
「え……まぁ」
「うっそ!んじゃあたしの名前も知らない?」
金髪にメッシュ入れてる方がそう言って自分を指差す。
「?」
「え――…ショックなんですけど」
はぁ…と、傷ついたように肩を落した。
だってしょうがないでしょ。
関わりがないんだし…。
「んまいーや。あたしの名前は天野夏希(あまのなつき)。夏希って呼んでいーから。覚えてよね?」
夏希はそう言っていたずらっぽく笑った。
「んで、あたしは新田魅歩(にったみほ)。よろしくね☆」
「ん。よろしく」
「てか蒼空チャン…。もしかして、ここにいる人等以外、名前知らへんのやないか?」
まさか、という表情で私を見る咲斗。
そりゃ…
「知らない」
「やっぱり……」
咲斗が頭を抱える。
「だって関わりないし。しょうがない」
キッパリハッキリ咲斗にそう告げると、綺亜羅がクスクス笑いはじめた。
「まだクラス始まったばっかじゃん。今から覚えればいんだよ〜」
“ねぇ?”と私に相槌を求める。
「まぁ……」
「蒼空記憶力いいから。すぐ覚えるよ」
「…そうかな」
「うん。まぁそのうちね!ガンバロッ」
綺亜羅はぎゅっと私の腕に抱きついてきた。
あたしにはなんだかそれが妙にくすぐったくて
「あ、りがと」
言葉に詰まりつつそう言って腕にすり寄せる頭をぽんぽんと叩くと、綺亜羅は顔を上げ、うれしそうにはにかんだ。

