「じゃー蒼空、次こっ」
「ちょっと!彼方ばっかり蒼空とんないでよ」
「いーじゃん。別に」
「ダメ。…蒼空、次うちに教えてー♪」
そう言って、反対側から綺亜羅が引っ張ってきたのでそっちを向く。
「どこ?」
「えっとね…」
綺亜羅が問題を探している間、うしろの気配が若干暗くなった気がして少し心配になったので、彼方の方を振り返って次の問題を指差した。
「この問題、今の解き方で解けるから。やってみて」
「!おー…。やってみる」
一瞬驚いた顔をしてからそう言って彼方はノートに向き直った。
「あ!蒼空…ここっ!」
綺亜羅が教科書の問題を指差す。
「これは…Xをこっちにして…」
「こーゆうこと?」
「そう」
綺亜羅はやり方を覚えればちゃんとできるな……後は。
私はチラッと彼方の方を見た。
「解けた…!!」
そしたら、ちょうど顔を上げた彼方と目が合った。
「合ってる?」
どこか緊張したように私を見つめる彼方の手元にあるノートを覗き込む。
「………ん。合ってる」
「よっしゃ!」
彼方はニッと歯を見せて笑った。
…のみ込み早いなぁ。
私がもう一度彼方のノートを見直していると、今度は斜め前から金髪の方の女子がノートを睨みながらこっちを手招きした。

