ブランコ






「そうだ!明日、2人も一緒に勉強しない?」


…これまた突拍子もないことを。


「「え!?」


案の定、2人供驚いた様子。


そして、この2人以上に驚いたヤツも。


「ちょ、なに言ってん」

「いいの〜?」

「えぇ!?」


あっさりその気になった女子2人に、彼方はさらに声をあげた。


「いや、正直点数ヤバいし?」


ねぇ、と女子2人は顔を見合わせる。


「ねぇって……」


彼方は呆れて声も出ないようだった。


「あのー…」


茶髪の方が、私の方を向く。


「別に」


そっちに目線を向けずただ、そう答えた。


「おぉ!蒼空のOKでたね☆」

「え!?今のでいいの?」

「十分十分♪」


綺亜羅のハシャぐ声が聞こえた。


私は途中から、勉強会なんてより違うことがずっと心の中にあった。


……。


“いい子だよ”か。


まさか、そんなこと言われる日がくるなんてね……。


そんなこと言われたって、自分のいいとこなんかひとつも浮かばないけど。


けど…。


なんとなく、心がくすぐったく感じるのはなんでかな…。