「それじゃあ蒼空チャンちにー…せやな、10時集合で!……ええか?」
咲斗は私の方を向く。
「ん」
そう頷き、そして最後、咲斗が締めて終わろうとした。
その時、
「―――ねぇ〜綺亜羅ぁ…、明日遊ばなーい?」
もろ化粧をバッチリきめて、それぞれ髪を染めてる女子2人がそういって綺亜羅に近づいてきた。
「あー…ごめん。明日勉強会するから無理だわ…」
綺亜羅はすまなそうにそう答える。
「そぉなの?誰と?」
茶髪にピンクのメッシュが入ってる方がそう聞いてきた。
「んー?この3人。咲斗と彼方と蒼空」
「……え?」
ほら、きたよ。
私は、お決まりの戸惑ったような表情をした女子をいちべつして、嘆息した。
そんなに私の名前は珍しいか。
……次のこの女のセリフは“脅されたの!?”とか“やめた方がいいよ!!”とかこのあたりかな…。
そう考えていると、考えを読んだかのように
「やめた方がいいよ綺亜羅!それにテストとかまだ再来週じゃん?」
さっきとは違う、もう片方の金髪の女子がそう言った。
その瞬間、彼方から何かを言おうとする気配がした。
けれど、それを遮るように綺亜羅が言った。
「遊ばない、勉強する。………それと、何も知らないのに、蒼空のこと悪くいわないで」
「「…………」」
「……いい子だよ。蒼空は」
優しく、でもはっきりと綺亜羅はそう言った。
そして、それを聞いた女子2人はバツが悪そうにうつむいた。
「……………」
全員が黙り込む。
すると、そこでその沈黙を断ち切るように綺亜羅が“あ!”っと声をあげた。

