――――――……



朝日が頬を照らす午前8時すぎ。



たくさんの生徒が登校してくる、この朝一番のラッシュの時間帯に、

私は昨日、あの3人に言われた通り、3日ぶりに学校に登校してきていた。



毎朝こりずに正門に立っている風紀委員と生活指導の横を通り抜け、校舎に入る。




廊下を歩いていると、3日前よりかなり増えていて、あちらこちらで目に付く中間服。



もう夏か……。


チラリと廊下から晴れ渡った空を見る。







――ガラガラ



教室のドアを開ける。

………。

いつも通り、雑談に夢中で誰も気づかない。

私はゆっくりと自分の席についた。


「来てくれたね」


突然、隣の席から声が聞こえ、横を向くと


「おはよ、蒼空」

「おはよー蒼空チャン!」


笑顔の彼方と咲斗がいた。


……挨拶されたの…いつぶりだっけ……。

私が驚いて何も言えずにいると、

今度は


「あ!蒼空ぁ、おはよー♪」


クラスの騒ぎ声に混じって、聞き覚えのある女子の声が聞こえた。


「咲斗も彼方もおはよー!」

「んーおはよ」

「おはよーなるチャン!」


綺亜羅がこっちに気づいて挨拶したのだった。


2人に挨拶した後、綺亜羅はまた友達との雑談に戻っていった。


あたしと関わらない方がいいとおもうけど……。


綺亜羅は何でもないようだけど、周囲の友達は唖然としている。


そりゃそうだよ。

昨日まで話したことなかったし。



それにしても
綺亜羅って結構大胆だよね……。



あたしなんかにあんな大声で挨拶して。



私は呆れながらそう思った。


けど……。



窓の外に視線を移す。




今の空がさっき廊下で見た空より澄んできれいに見えるのは



私の目の錯覚かな……。