ブランコ




休み時間になると教室は一斉に騒がしくなる。


なにをそんなに話すことがあるんだか…。

そう思いながら、ふと視線を感じ横を見る。


すると榊がじっとこっちを見ていた。


私と目が合うと"うんうん"と頷き、口を開いた。


「ねぇ、えーっと神崎サンだっけ?さっき屋上で会ったよね?俺と」


「………」


無言で顔を背ける。


「……シカト?」


「………」


絶対振り向くか。


…そう思ったとき。


「……パンッッッ!!」


「!?」


耳元で大きな音がし、びっくりして振り向くと手を合わせたままニヤッと笑っている榊と目が合った。


「やったねー。俺の勝ち♪こっち向いた」

「…なにがしたいの?」

「話ししようと思っても振り向いてくれないからさー」

「だから?」

「強行手段的な?」

「……。はぁ……」


どんだけ幼稚なの……。