ブランコ





―――――!?



担任が私の名前をだした瞬間、榊が入ってきたことでざわついていた教室が、さらに違う意味でざわつき始めた。


「おい…。今、神崎って言ったよな…」

「ああ、あいつの名前呼ぶ教師、久しぶりだな…」

「あいつってなんかヤベー事、やってんじゃなかったっけ?」

「たぶんな…。わかんねーけど…」


……はぁ。

知らず知らず、ため息が漏れる。

また始まったよ。

噂しかすることができないのかっての。


ま、この反応もだんだん当たり前みたくなってきたけど…。


「んー?なんだお前ら、急にざわつき始めて」


担任が不思議そうに言う。


すると、ざわついていた生徒達は一斉に口をつぐんだ。


「……?榊、とにかく座れ」

「んー」

「それじゃ、おしまい。休み時間な」


担任が言うと、ちょうどチャイムが響きわたった。