初めて着る制服。


ブレザーを腕に通す。



「ちょっと大きかったわね..」



手が見えないダボダボの黒のブレザー。



スカートは緑のチェック。




可愛い制服に包まれたあたしは鏡の前でにやけている。




楽しみ。




新しい生活が今から始まる。




いっぱいオシャレして、いっぱい恋をして。




そう考えるとにやけ顔がますます酷くなっていく。





「友菜、いつまで鏡の前にいるの ?早く車に乗って。」



いつの間にか車に乗っていたお母さんはイライラした目でこっちを見てくる。





『行ってきまー』



玄関を飛び出し、車に向かう。








4月。



これから運命と奇跡の歯車が動き始めようとする―……






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