「えっと、あの、3名以上では入れない決まりとなっています」
スタッフはそう言いながらアタシの腕から手をパッと離した
ナルがその間を割って入るように来て「そーゆうことらしいよ」とアタシを少し押しやる
「じゃあ、アタシもとよきと行く」
「なんでよ、俺でいーじゃん」
「だって、とよきやったら最悪おんぶして運んでくれそうやもん!……とよき、待って」
薄情にも、とよきは振り返りもしない
代わりにあこが振り返って、上品に会釈して消えて行った
…………
「どうぞ~」
スタッフに言われて、ナルがアタシの手を取る
引っ張り返して抵抗するも、それ以上の力で引き返されてズルズルとホラーハウスの入り口を入っていった
突然の暗闇に非常口の緑だけが浮かんでいる
ぐにゃっ
「わあ!なんか踏んだ!!」
「踏んだってゆうか、びびらせるために何か置いてんだって」
ナルにそう言われて数回踏んでみると、確かに何か置いてある
少し暗闇に慣れた目がさくさく進んでいくナルの姿をとらえて、急いで追いかけた
「ちょっと待ってよ~、怖くないの??」
「驚かされるだけだって」
「それが怖いんやって」
ナルはアタシに歩調を合わせてくれない
「……ナル、怖い」
「一緒に歩いてほしい?」
アタシとナルの間からギギギ……と音が聞こえてきて、近くにあった棺のふたがずれていく
慌てて逃げようとした時、ガタンと中から血まみれの女の人形が出てきて、ナルに歩み寄るどころか飛びついた
その瞬間ナルの背後から“待て”と声がして、ドラキュラ伯爵らしき人形がこちらに突然振り返り……
更に息を飲んでナルの腕にしがみつく
「かわいい~~~」
テンションの高いナルの声が聞こえたと思った途端、ぎゅーっと抱きしめられた
「ただの人形なのに、そんなこえーの?」
何度もうなずくと、抱きしめる腕の力が強くなる
スタッフはそう言いながらアタシの腕から手をパッと離した
ナルがその間を割って入るように来て「そーゆうことらしいよ」とアタシを少し押しやる
「じゃあ、アタシもとよきと行く」
「なんでよ、俺でいーじゃん」
「だって、とよきやったら最悪おんぶして運んでくれそうやもん!……とよき、待って」
薄情にも、とよきは振り返りもしない
代わりにあこが振り返って、上品に会釈して消えて行った
…………
「どうぞ~」
スタッフに言われて、ナルがアタシの手を取る
引っ張り返して抵抗するも、それ以上の力で引き返されてズルズルとホラーハウスの入り口を入っていった
突然の暗闇に非常口の緑だけが浮かんでいる
ぐにゃっ
「わあ!なんか踏んだ!!」
「踏んだってゆうか、びびらせるために何か置いてんだって」
ナルにそう言われて数回踏んでみると、確かに何か置いてある
少し暗闇に慣れた目がさくさく進んでいくナルの姿をとらえて、急いで追いかけた
「ちょっと待ってよ~、怖くないの??」
「驚かされるだけだって」
「それが怖いんやって」
ナルはアタシに歩調を合わせてくれない
「……ナル、怖い」
「一緒に歩いてほしい?」
アタシとナルの間からギギギ……と音が聞こえてきて、近くにあった棺のふたがずれていく
慌てて逃げようとした時、ガタンと中から血まみれの女の人形が出てきて、ナルに歩み寄るどころか飛びついた
その瞬間ナルの背後から“待て”と声がして、ドラキュラ伯爵らしき人形がこちらに突然振り返り……
更に息を飲んでナルの腕にしがみつく
「かわいい~~~」
テンションの高いナルの声が聞こえたと思った途端、ぎゅーっと抱きしめられた
「ただの人形なのに、そんなこえーの?」
何度もうなずくと、抱きしめる腕の力が強くなる



