☆ハイローハート

四人でジェットコースターを降りてくると、あこが理一達に“別行動”を提案した

二人はお手手つないで去っていく

「……全然二人でデートできてんじゃん」

ナルがその二人の背中を見ながら舌打ちをした

ピンクのうさぎの着ぐるみが風船を配って歩いていて、子供たちがまわりを取り囲んでいるのが見えた
そのピンクうさぎがかわいすぎて思わず

「ナル、アタシも風船ほしい」

と言ったけれど……


「あれは、子供しかダメなの
黒のすけすけパンツはくような女は……っ」


後頭部からスパーンとナルをはたく

「もう、いつになったらその記憶がキミ達の頭から消えるんよ」

とアタシが困惑顔で言うと、ナルは後頭部を自分で撫でている

とよきは遠くを見ながら「あれ以上の物見るまでは消えないだろ」と正論を吐く

(もっともです)……と、返答できずにもう一度ピンクうさぎのほうを見ると、こちらに向かって手を振っていた

あれ?こっちに手振ってる

周囲を見渡すと、人はたくさんいるけど子供は居ない

……誰に手振ってるんだろ??
ま、いいや
ピンクうさぎさん、バイバイ♪

手をヒラヒラ振っているアタシの背後であこととよきが話している

「俺、腹へったー」

「よし、じゃあごはんいこ」

いつまでもピンクうさぎが手を振るから、手を下ろすタイミングがわからずにアタシも振り続けるとナルにその腕をつかまれた

「おい、行くぞすけパン」


――すけパン?

ぶんぶんとナルの手を振り払った

「スケ番デカみたいに言うな!!」

「いいじゃん、すけパンデカ、すけパンチラリで犯人逮捕☆」

前を歩くとよきとあこが笑っている

「そこ、笑うな!そもそもあれはあこがスカート脱げっつーから」

「ああ、はいはい、ごめんごめん」

あこに適当に流されて、アタシは口を尖らせた