☆ハイローハート

唇が離れてやっと思う存分空気を吸い込んでる最中、理一はおかしそうにしながらもアタシをなだめるために頭を撫でる

「残念だけど、さっきの魔法はきかねーよ?」

……なんで?

って聞きたいけど、しゃべってる最中の不意打ちキスで酸素不足がひどい

肩で上下させて大きく深呼吸するアタシの影が部屋の床に長く伸びていて、横に目を向けるとカーテンの隙間からちょうど月光がさしこんでいる

アタシ達の様子をうかがっているような月


「俺の中、すでにみさきだらけだから、これ以上無理っす」


カーテンの隙間に見つけた月の中にうさぎは居るかと探す目を自分の胸元に落として「理一……手……」と呟いた

ずっと遠慮なく片手でアタシの胸を揉み続けている


「あ、気付いてた?」


と理一はアタシの服の中からそそくさと手を出した


二人で向き合ってごろんと寝転がると、理一が弱々しい声で「なあ……」と呼びかけてきた

カーテンに背を向けても、なんかお月様の気配を感じる


「いつ、エッチ解禁してくれんの?」

「……理一が全力疾走できるくらい回復したら」

「全力疾走って……どんな激しいのするつもり?」

「だっていっつも理一はめっちゃ激…しい……もん……」


自分の言ってることが恥ずかしくなって語尾が切れる


「そう?」

「そう」

「優しくもできるよ、優しくなら今日してもいい??優しいのがいい??」


堂々と聞いてくる理一に困惑してふとんに顔を埋めた