☆ハイローハート

こちらを見ないままだから、一方的にさやかの思いを聞いてる感じ

彼女だってアタシの返答をきっと望んでいない

「理一くんは、さやかといる時寂しい顔なんてしなかったのに……
いつだってさやかに優しく微笑んでくれてた
だから……」


気持ちはわからなくもない

いつも笑顔でいられるかどうかって一種の幸せのバロメーターだし


でも理一とモロが笑わないのは……ちょっと違うと思う

だけどさやかがそんなことを理解する必要もないし、アタシが説明する義務も権利もない


「だから、さやか言ったの
あの人は理一くんの事が好きじゃないんだよって
きっと迷惑に思ってるよって」


そういいたくなるのもわかる

好きならなお更

理一はバカだから、そう教え込んだら「そっか、そうかも」ってなる可能性もある

と思うと、横で寝ている顔がのんきに見えるのは何でだろう


「たとえそうだとしても……理一があんたとよりを戻すことはないよ?」

「そんなのわかんないじゃん!!」


やっとこっちを見たと思ったらさやかは既に涙を流していて、今までずっとだまって聞いてたのにアタシが発したたった一言の威力に驚く


「……うん、そうだね
だから理一もあきらめ切れないんだと思う
嫌われてないなら、可能性はあるんだって」


さやかが泣くからものすごく戸惑うけれど、この場だけ合わせてさやかに同情することなんてできない性格

泣こうが怒ろうが、周囲の感情に邪魔されずに見つめれば“好き”という気持ちはいつだって純粋だ

その恋が後ろ指をさされるものであっても、その恋がたとえ実らなくても

“好き”なものは“好き”

ただ、それだけだから


「あんたが理一の事を好きだと思うその気持ちのまんまで
理一はモロの事が好きなんだよ」

「そんなのずるい」