☆ハイローハート

うそ


と思った瞬間にはこちらに向かって走ってくる姿に焦って理一から少し離れた

両手に何かを抱えて理一に向かうと思っていた姿が、真正面からアタシとぶつかって二人で雪崩れのように倒れてしまう


砂の上に何かがヒラリと落ちて広がった


“3 RIICHI”のユニフォーム

「さやか」

と理一が彼女の腕を掴んで立ち上がらせても、しがみついたまま離れない

「理一くんっっ」


さやかは、いつだって誰よりも理一の近く

不恰好に感情を表現することだって味方につけてしまう

アタシには一生できない

涙目ですがりつくことなんて……


「今日学校にもって行くの忘れたから、ユニフォーム持ってきたのっ」

「ん?……あ、うん」


アタシは唖然と自分が砂の上に座り込んでいることに気付いて、落ちたままのユニフォームを拾うとふらっと立ち上がった


「みさき、大丈夫?……ちょっと、ごめんさやか、手離して」

と理一がしがみつくさやかの腕を解くと、「やだやだ、この人に優しくしないで」と更に強く理一に抱きついていく


そんな光景に動転して

ただ見たくなくて、ここを一刻も早く立ち去りたかった

ユニフォームについた砂を払っていると、それにきづいたさやかが「返して!!」とアタシの手から奪い取って理一の胸に押し付ける


「理一くんのことは全部さやかがするね」

そう告げられた理一が戸惑ってるのがわかる

さやかは潤んだ瞳に理一をうつして語りかけた

「練習試合だって、予選大会だって、さやかが一番近くで見てるから
学校でだって、さやかが一番理一くんの近くにいるんだから…」

アタシは自分についた砂を払いながら、二人を避けて歩き出した