☆ハイローハート

気まずい空気

アタシは黙ったまま、さっきの質問を取り消すこともできず、かと言って返事を待っているわけでもない


「あ、あのさ、ユニフォームが破れてることに気付いたのが……さやかで
ほら、あの予選で、先輩がさやかをベンチに入れちゃったじゃん?
そんでね“縫ってあげる”って言われて……
あれだよ、言いだしっぺが責任取るってヤツ?」


……はあ??


その意味不明な弁解

理一の話なんて聞こえてないって感じだったアタシ以外の三人が揃いも揃って同時に(信じられない)という表情で振り返ったから、アタシも理一と一緒にぎょっとしてしまった


フォローしきれん


「あ!理一大変」とあこが大股で寄ってきて

「髪にゴミがついてる」と早口で言うと同時に右手で理一の頭を思いっきり叩いた

明らかに手加減なしの音


「言いだしっぺだから、責任取っちゃった」

と、いたずらっぽく口を押さえて肩をすくめたあこ

MJが「ちひろがカラオケ行きたいんだって、モロも一緒に行きましょうよ」とアタシを呼んだ

痛みで頭を押さえてた理一がうっすら涙目で「……え?」と顔をあげる


ちひろが「よぉし、フリータイムだ!」と張り切って改札口を通って行く


何か色々頭や思考回路にトラブルが起きてる理一がボー然としている間に、ジャストタイムで電車がホームにやってきて


「じゃ、理一、アタシみんなとカラオケ行くからバイバイ」


と手を振った


「終電までには帰らなきゃネ!」とちひろはハイテンション


「俺も……」と電車に乗りかけた理一の前でMJは両手でバツを作って首を振った


理一は片足をあげたままMJを見てフリーズ

MJはメドゥーサか??


「よく考えて行動しなさい」「はい……」


……MJの命令は、理一にとって“絶対”らしい