ん??

「アタシやあこを待ってるわけじゃなさそう」

と、イチャイチャしているように見える二人から少し離れたところを通過していく

……誰、あの人

なんとなく気になってチラチラ見ても、女の後ろ姿に隠れて理一の表情が見えない


あこが前を歩くちひろを見て「ちひろ、またスカート短くした?」と聞くと、彼女は自分の足元を見て小首をかしげている

この4人でスカート丈が校則違反じゃないのはMJだけ

だけど……

「MJ、出会ったときと雰囲気変わったよな~~」

とつくづく思う

ワンレンの黒髪乙女刈りで、陶器のような肌をしたMJはほんとに……

「こけしみたいやったもんな」
「座敷わらしだと思ったもん」

アタシとあこの声が重なって、MJがツンとそっぽを向いた

相変わらず黒光りしているストレートの髪は肩下5センチくらいまでのびていて、ピシッとセンター分けだったのが今ではサイドで分けられて前髪を流している

陶器のような青白い肌は相変わらず、ほとんどすっぴんで涼しい目元のまつげだけマスカラで縁取られていて……独特の雰囲気は健在

「私は絶対あなた達みたいなジャンルの人と仲良くしたくないと思っていたわ」

MJのその言葉にあこと笑っていると、「み さ き っ!」と走ってくる足音が背後から聞こえてきた

「…………」

黙って振り返ると「もう~せっかく迎えに来たのに無視すんなよ」となぜかこっちが怒られている

理一の向こう側には立ち止まってこっちを見ている女が1人

「あの人、ほったらかしにしていいの?」

「ちょっとした知り合いなだけだし、俺はみさきを迎えに来たんだからいいの」

……迎えに来たって、約束もしてないのに

あことMJはノーコメントだし、ちひろはまだ自分のスカート丈を気にしている

「俺が送ったメール届いてる?」

「届いてるよ」

「なんで返事くれねーの?」

……なんとなく、そんな気分じゃなくて

とは言えない