ヘビーな罪悪感がのしかかってきた

アタシに触れる指も、抱きしめる腕も、かける言葉も全部が優しい国坂くん

だから余計に自分が最低に思う


「勉強頑張ってね」

「うん、今日はかなり英語がすすんだ」

「わかんないことがあったらいつでも言って
赤ペンに乗って飛んでから」

「そんな大きな赤ペン見てみたいな」

「点書いたら、ノートが真っ赤になるよ?大きすぎて」


マンションまで送ってもらいながら、つないでいる手

変わらない会話

国坂くんが笑ってくれるから、アタシも笑った


「あれ?玄関のドアに何か貼ってある」

それはエレベーターを降りてすぐ目に入った

近づいてみると、隣人さんからのメモ

「宅配便預かってくれてるんだって……もらいにいかなきゃ」

「一緒に行くよ」


と国坂君は3メートルほど離れた隣人さんの家のインターホンを鳴らした

応答がないから留守かな?と思ったら鍵をあける音

隙間から男性が顔を出す


アタシが「こんばんは、宅配便預かってもらったみたいでありがとうございます」と声を掛けると、アタシと国坂くんを交互に見て一度引っ込んだ

……無愛想な人

お隣さんってこんな人やったんや


アタシが国坂くんを見ると彼は一瞬何か言いたそうにしたけれど、ドアが開いたから聞きそびれてしまった