☆ハイローハート

国坂くんのおうちは立派な一軒家で、表に大きく「国坂塾」と書かれてあった


「国坂くんのおうちって塾なん?」

「そう、そっちは塾の方の入り口で、家の玄関はこっち」

そう言って国坂塾とは違う入り口に向かう

塾の方に男の子達が数人入っていくのが見えた

スパーンという音が聞こえて、子供たちが「はい!」と返事する声がきこえてきて目を丸くする


「スパルタっぽいね」

「ああ、親父は厳しい人だから」


国坂くんの部屋はやっぱりきれいに整頓されていた

机の上だけ参考書やノートが散らかっていたけれど、それ以外は本当にキレイ

ベッド脇のチェストボードにipadが置かれてあって「あ!!」とそれを手に取る

「触っていい?」

「いいよ、俺ちょっと着替える」

と国坂くんがネクタイを抜き取ったから、アタシはそっちを見ないようにipadを操作した


「いいね、寝ながらこれ見てたらいつまでも寝れないでしょ」

「だから最近はもっぱら辞書としてしか見ないようにしてる」

「へえ、辞書?」

「便利な時代だから」


どんな辞書を入れているんだろうと、ダウンロードファイルのところを開くと色々なフォルダがずらっと並んだんだけど……

何順に並んでいるのか、一番目につくところに“家庭教師のHカップが気になって、勉強に身が入りません”とあって「フフ……」と笑ってしまった

ほんと男の人って100%何かを隠し持ってるよね

そして、大体隠せてないよね

理一と龍一も前にアタシの目の前でDVDがどうだこうだケンカしてたし、とアタシは国坂くんに見つかる前にそのページを閉じた


「国坂くんがわからないって言ってた長文どれ?」

ipadを置くと、机の上を物色する


「あ、その一番上の英語の問題集」

「これ?」とアタシはそれを取ると開いた