モロと二人で水着のかかったラックをがちゃがちゃかきわける

「白い肌には黒のビキニが映えるんじゃない??」

「でもほら、顔とかちょっとレトロやし、レトロな昭和っぽい水着も似合うと思うねん」

「昭和って」

「パレオとか無しな、小さいからスタイル悪く見えるし、なんならひきずりそう」

「これとか」


レトロな配色のウェーブ柄が描かれた水着をMJに合わせるとモロが「いいっっ!」と売り場中に響く声を出した


「そもそも私、水着なんか着ないわよ
選んでくれたところ申し訳ないけれど」

しけた顔して合わされた水着を押し返すMJ

いるのかいないのかわからないくらい会話に参加していなかったけれど、MJはずっと横でアタシ達の会話を聞いていた

モロは不満顔

「じゃあ何着て踊るン?」

「「え?踊る??」」

アタシとMJの驚いた声にモロが「ごめんごめん、間違った……何着て泳ぐン??」と言い直す


「プールも海も行かない」

「あかんあかん、それはあかん、その選択肢はない」

「じゃあ今その選択肢が増えました」

「プール行って焼肉食べるか、プール行って焼肉食べるか、どっち?」

「野生的ねえ……」


野生的、なのか??

なんか色々つっこみどころ満載だけど、まあいっか


「あらゆる経験は、占いの糧になりまっせー」

「そうだよMJ、高校2年生の夏は今年しかないんだよ」と背中を押す


「んーー……来年は受験生だし??」

MJが折れるようにレトロな水着を手に取り


「ってゆうか、昭和な顔って失礼よね」


と今更突っ込んだ