☆ハイローハート

MJはタロットを脇に避けてしまった

彼女は今日、占ったんだろうか

それとも、俺に言いたい事を言っただけなんだろうか


彼女に飲まれて、頭も心も妙に凪いでいる


「そんな私の友達が、あなたを楽にしてやれるのは私だっていうの
私はあなたを嫌いなのにね」

あことモロの事を笑っちゃうほど失礼だと言ったMJだけど、多分一番ズバズバ言うのは……MJ自身なんじゃ


「カラオケで、あなたが学校の女子に“優しいって言われた”っていっていたけれど、
理一くんは“優しい”の意味を履き違えてる
穏便にことを運ぶこと=幸せじゃないわ」


……なんで?
争いなんて、起きないほうがいい


「理一くんが今作っている状況は一見穏やかだけれど、誰か幸せなのかしら??
あなたが無理して一緒にいる彼女は、本当に幸せ??」


そんな風に考えた事はなかった


「で、本題ね」


とMJが切り出して驚く

今から、本題??


「どうせ泣かせるなら、最初で最後一度だけ泣かせて、後は手すら差し伸べないこと」


あこが「そーだよね~~~」と突然テーブルを叩いた

「理一はあっちにもこっちにもいい顔しようとするからダメなんだよ」


MJは立ち上がって棚に並んでいる天然石っぽい石を持ってくると、俺の前にそっと置いた


おまじない??

なんてドキドキしていると、「理一くん、これは強力な厄除けと開運の石なの」と少し声のトーンをあげたMJが笑顔で話し出した


自分で霊感商法ってカミングアウトしたのにちゃんと商売してくるあたり、根性キマってる